大童法慧 | 僧侶的 いま・ここ
何かを得ようとするのではなく 何かを捨ててみよう
大童法慧,曹洞宗,僧侶,祈祷,相談,生き方,悩み
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4月 22日 新刊発売のお知らせ

  『大法輪』に連載した「あなたのための修証義入門」を修正加筆し、雄山閣様より「そのままのあなたのための修証義入門 ~生死の問いを31節に学ぶ~」として上梓いたしました。   「あなたのための『修証義』入門」では、「あなた」を念頭において書き進めてきました。十九回の連載を通じて、その「あなた」は様々な姿で私の前に現れました。それは仏教や禅に心惹かれはじめたあなたであり、「修証」という言葉に導かれたあなたでした。それは時に「ざらざらした大地」に生きて歯ぎしりの止まぬあなたであり、それでも快活に笑い飛ばそうとするあなたでした。また、あなたは私自身でもありました。そして今、何かで飾ることを必要としない「そのままのあなた」が私の前に佇んでいます。   『修証義』の全三十一節を知るなかで、「私は独りぼっちではないこと」、「躓いた出来事さえも手をあわせることができる自分がいること」そして、「何があっても大丈夫な安心があること」を共に確かめたいと願います。     ご感想を頂戴できれば、幸甚に存じます。    ...

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4月 15日 不害の説法

「そのままのあなた」からはじめる『修証義』入門    ~ 生死の問いを31節に学ぶ ~  「同事」の節  あなたを主語にした意訳 抜粋   お釈迦さまの「不害の説法」を思い起こしましょう。   かつてコーサラ国のパセーナディ王とマッリカー妃は「自身が一番愛しい」という心に至った己に驚き畏れ、その正否をお釈迦さまに問いました。   すると、お釈迦さまは「人の思いは、いずこへもゆくことができる。されど、いずこへおもむこうとも、人は、おのれより愛しいものを見いだすことはできぬ。それとおなじく、他の人々にも、自己はこの上なく愛しい。されば、おのれの愛しいことを知るものは、他のものを害してはならぬ」とお応えになられたのです。   それは、自我愛を否定するのではなく、人間が持つ「内なる暴力性」を慈悲心と不害という智慧で離れていきなさいとのお示しでした。   ですから、同事は、「他者の傍らにいて何を為したのか」という結果のみを問うているのではないのです。そこに至るまでの、あなたの心に湧き上がってくる様々な感情、言葉の遣り取りや沈黙、空気感や時間の軽重など、そこに起こるダイナミズムなはたらきを味わいながら、「人間として生きる」ことを学ぶ過程をも含んでいるのです。   つまり、何よりもまず「己とは何か」について深い省察をしていくことであり、そのうえで手にした慈悲心を胸に、誰かを傷つけるのではなく容認し、何かを害するのではなく容受し、「共なる私たち」を痛めない行なのです。        ...

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3月 25日 ご案内

  拙著、「そのままの私」からはじめる坐禅(メタモル出版)の刊行を記念して、岩瀬書店富久山店様で講演会をする機会を頂戴しました。   ★2017年4月1日(土)14時~ 参加費無料 『「そのままの私」からはじめる坐禅~抱えている問いを禅の智慧に学ぶ~』(メタモル出版)刊行記念       坐禅と法話の会   ■日  時:2017年4月1日(土)                   14時~15時30分(開場13:30) ■場  所:岩瀬書店富久山店プラスゲオ イベント会場 ■参 加 費:無料 ■定  員:50名(先着順) ※定員になり次第、締め切らせていただきます。 ■申込方法:店内備え付けの申込書に必要事項を記入の上、サービスカウンターまでお持ちください。 お電話によるお申込みも受け付けております ⇒岩瀬書店富久山店プラスゲオ 電話番号 024-936-2220   ※時間厳守でのご来場をお願いいたします(状況によっては入場をお待ちいただくことがございます)。 主催:岩瀬書店 協賛:メタモル出版   ◆イベント内容 第1部 「坐禅の力」坐禅をすることがあなたにもたらすものは何なのか。あなたが本来持っている生きる力を引き出す「坐禅」についてお話しします。 第2部 「椅子坐禅」本来の坐禅が難しい方でも簡単に取り組める方法として、 椅子を使った坐禅をご紹介します。会場でお座りの席でそのままできます。   ※第2部終了後、会場にて書籍『「そのままの私」からはじめる坐禅』をご購入いただいたお客様にサイン会を行います。【ご購入特典】当店にて本をご購入いただいた方に、「達磨布巾」をプレゼント!(当日ご用意数には限りがございます)...

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3月 18日 眼にて云う

  2年前、ご主人の7回忌の折、「私も戒名をもらえないかな」と生前戒名を求めた人。 相談の結果、3ヶ月後に生前戒名の儀式を執り行う。   そして、久しぶりの電話。 呂律の回らない口調。   「実はね、二ヶ月ほど前にがんが見つかったのよ。大腸がん。お医者さんが言うにはさ、もう手術はできないんだって。だから、痛みをとってもらうだけなのよ。だから、今、葬式が気になって。娘には伝えたのだけれど、葬儀社と斎場は主人と同じところ、あとの気がかりは法慧さんにしてもらいたいのよ」、と。   「いいですよ」と応えたら、「これで安心。もう思い残すことはないわ。全部すっきりした」とのこと。   思い切って「今、どんなお気持ちですか」と尋ねたら、「うん、さっぱりしたの。全部、最後まで自分で決められたからね」と。   しかし、数秒後。 「けどね、、、」という言葉の後に仰ったことは、「やっぱり、怖いのよね。死んだあと、どうなるのかなって。こんなことを娘には言えないけれど、やっぱり、怖いと思ってしまう時がある。まぁ、仕方ないよね」と少しの笑い声。   その乾いた笑い声に、人間の哀しさを手に取って見せてもらった気がした。頭では解決していても、いざ死を前にした時の不安や緊張は決して無くなるものではない。けれども、それでいいのだ、と。   眼にて云ふ    宮沢賢治 だめでせう とまりませんな がぶがぶ湧いてゐるですからな ゆふべからねむらず血も出つづけなもんですから そこらは青くしんしんとして どうも間もなく死にさうです けれどもなんといゝ風でせう もう清明が近いので あんなに青ぞらからもりあがって湧くやうに きれいな風が来るですな もみぢの嫩芽と毛のやうな花に 秋草のやうな波をたて 焼痕のある藺草のむしろも青いです あなたは医学会のお帰りか何かは知りませんが 黒いフロックコートを召して こんなに本気にいろいろ手あてもしていたゞけば これで死んでもまづは文句もありません 血がでてゐるにかゝはらず こんなにのんきで苦しくないのは 魂魄なかばからだをはなれたのですかな たゞどうも血のために それを云へないがひどいです あなたの方からみたらずゐぶんさんたんたるけしきでせうが わたくしから見えるのは やっぱりきれいな青ぞらと すきとほった風ばかりです。  ...

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2月 18日 癖や思い込み

  『「そのままの私」からはじめる坐禅』の校正で、自分の文章の癖や思い込みをまざまざと突き付けられました。   その大きな誤りの一つ。   ある日の坐禅中、如浄禅師は居眠りする僧を見て、「坐禅は身心脱落である」と言いました。その言葉を聞いた時、道元禅師は真実なるものをしっかりと見届けることができたと伝えられています。   この文章を読むと、寝ている修行僧を見た如浄禅師は「身心脱落だ」と認めたように受け止められるでしょう。それを聞いた道元禅師は、「なるほど、寝るのが身心脱落」なのか、と。 恥ずかしながら、この誤りにきづいたのは校了ギリギリでした。 結果、以下の訂正をしていただきました。   ある日の坐禅中、如浄禅師は居眠りする僧を見て、「坐禅は身心脱落である。眠りこけてどうするのだ」と一喝しました。その言葉の響きに触れた時、道元禅師は真実なるものをしっかりと見届けることができたと伝えられています。    ...

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2月 05日 三冊目の上梓

    年末から、およそ二ヶ月で書き上げました。 メタモル社さんから、 「そのままの私」からはじめる坐禅 ~抱えた問いを禅の智慧に学ぶ~ 8日からアマゾンで予約を受付けるそうです。 よろしければ・・・   ビジネス書やセミナーなどで「マインドフルネス」というキーワードがもてはやされ、瞑想イベントや教室に参加する人が増えています。「今・ここ」の自分の状態を実感することで、「ストレス軽減→集中力アップ→生活改善」に結び付けようと「マインドフルネス」に取り組む人たちがいる一方で、うまくいかずにより閉塞感を抱いてしまう人も少なくありません。   本書は、そういう人たちをはじめ、「禅」に興味があっても敷居が高そうと思う人たちに向け、いつでも誰でも取り組める坐禅から暮らしの中に取り入れたい禅、禅的なものの考え方などをわかりやすく説きます。また、生、老、病、死、それぞれのシチュエーションを「人生の風光」とらえてそれぞれの世界を描きます。     目次   はじめに~マインドフルネスに少し疲れたあなたへ~   ■第一章 「そのままの私」と暮らす~道元禅師に学ぶ七話~ ・門 ・主人公 ・而今 ・光明 ・師 ・眼横鼻直 ・道場   ■第二章 「そのままの私」がはじめる工夫~禅のある暮らし~ ・坐禅 坐禅をするとどうなるのか 坐禅の仕方 呼吸 数息観 心得 坐る時間 結跏趺坐ができない時 調身 調息 調心 心が調うこと 坐禅会 禅の力   ・一息の禅 ・椅子を用いた禅 ・仰臥での禅 ・禅による喪の作業 ・五観の偈 ・写経 ・真向法 ・作務   【十牛図】   ■第三章 「そのままの私」を生き抜く~生老病死とともに~   ・生の風光一 関係性 ・生の風光二 命への信頼 ・老の風光一 命を寿ぐ ・老の風光二 老いの道標 ・病の風光一 一得一失 ・病の風光一 当病平癒 ・死の風光一 にもかかわらず ・死の風光二 死別の周辺の事柄     アングリマーラの物語~あとがきにかえて~  ...

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1月 21日 深い関わりを持つ他者

  わずか2000字程度の原稿を七転八倒しながら、また、己を呪いながら過ごす時間。 何にも浮かばず時間が過ぎる。 かといって、寝ることもできもない。 まぁ、幸いに脱稿したけれども、その零れ落ちた部分。 書けなかったところの備忘。   情愛が深く絡む他者は、特に気をつけなければなりません。 もちろん、何かを失った時に支えてくれる家族や親族、友人や恋人がいればとても素敵なことでしょう。   勝海舟は『氷川清話』で「人間の覇気を減らすのに、一番力のあるものは、内輪の世話や心配だ。外部の困難なら、たいていな人が辛抱もするし、またこれがためにますます勇気が出るといふこともあるが、親兄弟とか妻子とかいふやうな内部の世話には、みんな根気を無くしてしまふものだ。どんな大悪人でも、恩愛の情には流石に脆いもので、この情といふ雨露に打たれると、忽ち弱つてしまふものが多い。」と指摘しています。   ・・・出版の際は、改めてお知らせいたします。    ...

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12月 31日 真実担道の人  

生きて今あるは    路遥にして馬の力を知り、事久しうして人の心を知るなれば、仏道は順逆の中に長遠の志を堅く持つを、真実担道の人と云なり   『大智禅師仮名法語』   穴があったら入りたいような失態を犯せば、取り返しのつかない失敗もある。嵐のような叱責、言われたくなかった言葉、やり過ごす時間。 如何ともしがたい事実を突き付けられた時、あなたはどうするだろうか。妬み嫉みで貶めようという世界が現れたとしても、自分がどんなに嫌いになったとしても、「もうだめだ」と呟く事態に陥ったとしても、南無帰依佛と誓った私たちは、それらを菩提の行願として歩み続けるお互いでありたいのです。     冬の章  「親」   私はもう老い朽ち、齢をかさね老衰し、人生の旅路を通り過ぎ、老齢に達した。わが齢は八十となった。譬えば古ぼけた車が革紐の助けによってやっと動いて行くように、恐らくわたしの身体も革紐の助けによって持っているのだ 『ブッダ最後の旅』 四十歳も半ばを過ぎると、友人からの結婚式の招待状はほとんど届かなくなります。たまに二度目や三度目の案内を受け取ることもありますが、祝い事へのお呼ばれよりも、喪服を着る機会の方が増えてくるものです。そして現実に、親の介護や葬儀というものに直面する世代となります。 「親孝行、したい時には親はなし」この言葉を聞いて、御両親とお別れされた人ならば、「ああ、なるほどな」と感じることでしょう。また、その悲しみが最近のものであるならば、涙でもってこの言葉を噛みしめていることでしょう。 生意気盛りの頃、「自由に生きたい」と親に言ったことがあります。息の詰まるような閉塞感を感じ、「早く、この家を出ていきたい」と願ったこともあります。 いつもの朝、見慣れた食卓、自分の部屋、親の顔。でも、そこは、実はなにもかも満たされていた場所でした。  私の手元に、原田湛玄老師と高橋祖潤尼様と両親、そして、私の五人が並んでいる写真があります。得度式の後、撮影したものです。 平成九年二月八日、湛玄老師に私は頭を剃っていただきました。徳山から駆けつけた両親は、我が子が出家するという出来事をどのように受け止めたのでしょうか。 得度式が終わり、小浜駅で見送る私に母が言いました。 「あんたの択んだ道じゃけん、自分が本当に納得するまでやりんさい。家のことは、心配せんでええから」 数日後、赫照軒にお参りに行った際、高橋祖潤尼様が噛んで含めるように示されました。 「法慧さん、親ほどありがたいものはないよ。親ほどあなたのことを想ってくれる人はいない。あなたが迷っていた間、御両親はあなた以上に悩んでいたはずだ。けれども、じっと待っていてくれた。それを決して忘れてはいけない。 出家は家を出るといいますが、親との縁が切れたのではありません。毎朝、毎晩、親のために手を合わせる心を忘れてはなりません。そのことによって、また、親との新たなご縁が生まれるのです。 親孝行とは、親に心配をかけないことです。まっとうに生きてほしいと願うのが親だよ。人柄な人に育ててくれたご両親を拝みなさい。」 白い頭、遠くなった耳、老いていく身体。改めて思うのです。自らの命を削って、我が子を育てたのだ、と。 懐かしく暖かな日々、穏やかで緩やかな時間、宝物のような故郷。   春の章 「初詣」   親の死とは、あなたの過去を失うこと。 配偶者の死とは、 あなたの現在を失うこと。 子どもの死とは、あなたの未来を失うこと。 友人の死とは、あなたの人生の一部を失うこと。             『愛する人を亡くした時』 グロールマン お正月、やっとの思いで、主人と初詣にでかけました。この3年間、お正月が来ても、とてもそんな気持なれかった。主人も同じだったと思います。でも、思い切って誘いました。 娘が生きていた6年間、毎年、一緒にでかけた神社です。はっきりと思い出しました。娘の事を。ああ、ここでお御籤を買ったな、ここでお昼を食べたな、ここで写真を撮ったな、と。 毎年、家族で一枚の絵馬を求め、願い事を書いていました。元気で暮らせますようにとか、パパが煙草をやめられますようにとか、マンションを買う夢もありました。 「絵馬を書かない?」と、主人に言いました。彼は黙って頷いて、先に書きはじめました。渡された絵馬には「貴代美が幸せになりますように パパ」と、書いてありました。貴代美とは、娘の名前です。 それを見た時、涙があふれました。 でも、その時、強く思ったのです。「この人と一緒なら、きっとやり直せる」って。 亡き吾子の 幸せ願う 初詣 それでも、生きる。それでも、生きる。そうすれば、そこに、新たな風が吹く。きっと、穏やかな優しい風が吹いてくる。   夏の章  「我が身」   百計千方、只だ身の為にす 知らず、身は是れ塚中の塵なることを 言うこと莫れ、白髪に言語無しと 此れは是れ、黄泉伝語の人   香厳智閑禅師 日々の多くの考え事は、我が身可愛さのためじゃないだろうか。少し落ち着いて、自らの年老いた姿を想像してごらん。「本当に大切なものは何なのか」を、先に逝った方々が教えてくれるはずだよ。 手にした物の数を競う人生。人を二つの種類に分ける世の中。悲しい哉、私たちには、物事に善悪や優劣の評価を自分の感覚のみで行い、それを絶対の価値観として生きてしまっているのではないだろうか。そして、他者との比較の中で、自分を確認し、強く見せたり、賢く見せたり、威張ったり、怒鳴ったり、結果、消費による自己実現。 あいつは金持ちだけど、俺の方が頭はいい。あの人はもてるけれど、私の方が心はきれい。そんな言い訳を作り出し、自らを慰める。でも、比べる世界に満足や喜びはないのです。 もしも、あの時、あの言葉を言っていれば、もう少し、ましな男になれただろうか。もしも、あの時、深く考えていれば、もう少し、まともな人生を送れただろうか。 こんな調子で、この先、自分で自分のことがわからなくなったり、身の回りの世話をしていただくことになったりした時、私は優しく、楽しく、明るい自分でいられるだろうか。 修行道場では、夜の坐禅の終わりに、木版が鳴ります。古参の僧が木版を打ちながら、「生死は事大にして、無常は迅速なり。各々宜しく醒覚すべし。慎んで放逸すること莫れ」と、禅堂に坐る者たちに低い声で朗々と告げます。静寂の中、木版を叩く音が身体に染み込み、その声が身体に響き渡ります。 時間は、おのが耳で聞き取れぬほどの凄まじい轟音をたてながら、万人の中を等しく通過します。でも、時間が私たちの上を走り去っているのではないのです。そう、私たち自身が過ぎ去っているのです。私たち自身も移り変わっていきます。だからこそ、現実のこの暮らしは何よりも強くあり、何よりも逞しくありたい。 我が身可愛さから、少し離れる夏を過ごしたいものです。   秋の章  「君に」   衆生無辺誓願度。人生を長短ではなく、濃淡で汲み取る覚悟をいたします。 煩悩無尽誓願断。人生を私からではなく、公や義からはじめる視点を育てます 。 法門無量誓願学。人生を世間の知恵だけではなく、佛智慧を育てる視点を持ち続けます。 仏道無上誓願成。人生を今生だけのものではなく、「ひとつながりのいのち」として受け止めます。   君も知っているだろう。あの日から、「君が何故こんなことになったのだろう」とひたすら悩み続ける家族の姿を。 気丈に振舞っていたお父さん。目を真っ赤に泣きはらしたお姉さん。必死に歯を食いしばっていたお兄さん。そして、棺の蓋を閉めることを拒むお母さん。 火葬の炉の蓋がゆっくりと閉まった時。耐えていたお父さんは、君の名前を大きく叫び、その場に倒れこんだ。お姉さんは、絶叫と嗚咽を繰り返しながら、肩を落とした。お兄さんは、声を詰まらせ、落ちてくる涙を拭こうともしなかった。お母さんは、その閉まる蓋の中に、飛び込もうとした。 家族のそんな姿を、君は想像できていただろうか。深く深く家族から愛されていることに気付いていなかったのかい。 君には自死を選ばねばならなかった理由があったのだろう。いや、そうするより、他に、手立てがなかったのかもしれない。しかし、もしそうだとしても、君は、まだ二十歳だ。 「先立つ不幸をお許しください」という台詞は、愛する者のために、守る者のために、命を賭す者の言葉だ。決して、自分のために命を断つ者の言葉ではないはずだ。 咽びながら君のお骨を抱えるお父さん。泣きながら君の位牌を抱くお母さん。力を込めて君の写真を持つお兄さん。涙をとめることのできないお姉さん。しばらくの間、君の大切な家族から笑顔が消えることになるだろう。 でも、大丈夫。みんな、多かれ少なかれ、生きていく悲しみを抱えている。大丈夫、君の家族なら、大丈夫だよ。 君は、本当に、愛されていたんだ。そして、君は今でも愛されているよ。だから、今度は君が家族を愛する番だ。大きな荷物は、ここに置いて。さぁ、もう一度、父の子となり、母の子となり、姉の弟となり、兄の弟となり、そして、君が君になる。   新年の章 「感謝」 新年の佛法如何と問わば 口を開いて他に説似するを須いず 露れ出ず東君の真面目 春風吹いて綻ぶ臘梅花 『大智禅師偈頌』   年の初めに、手をあわせ、幸せを祈る。その手に、怨みつらみはないだろうか。その祈りに、「今・ここ」への感謝の念はあるだろうか。 感謝の念、それは、すべてを肯定することからはじまると思うのです。受け入れがたく、目を背けたくなるような「今・ここ」であったとしても、「今・ここ」からはじめていく。「今・ここ」から逃げない。南無帰依佛と誓ったからにはその勇気を忘れずに、共に真実を担う人でありたいと願います。   平成27年 『大法輪』巻頭言...

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12月 24日 ポリティカルコレクトネス ノイジー・マイノリティ

ポリティカルコレクトネス ノイジー・マイノリティ ・・・そこにあるものを見直すのではなく、自分側の視点だけで完全否定することのよう。       除夜の鐘は五月蠅いから、とクレームを頂く時代です。 盆踊りにはイヤホンをして踊る処もあるそうです。 そのうち、初詣も近所迷惑となるのでしょうかねぇ。     「初詣」  お正月、やっとの思いで、主人と初詣にでかけました。 この3年間、お正月が来ても、とてもそんな気持なれかった。主人も同じだったと思います。   でも、思い切って誘いました。 娘が生きていた6年間、毎年、一緒にでかけた神社です。   はっきりと思い出しました。娘の事を。ああ、ここでお御籤を買ったな、ここでお昼を食べたな、ここで写真を撮ったな、と。   毎年、家族で一枚の絵馬を求め、願い事を書いていました。元気で暮らせますようにとか、パパが煙草をやめられますようにとか、マンションを買う夢もありました。   「絵馬を書かない?」と、主人に言いました。彼は黙って頷いて、先に書きはじめました。 渡された絵馬には「貴代美が幸せになりますように パパ」と、書いてありました。 貴代美とは、娘の名前です。   それを見た時、涙があふれました。 でも、その時、強く思ったのです。「この人と一緒なら、きっとやり直せる」って。   亡き吾子の 幸せ願う 初詣 それでも、生きる。それでも、生きる。 そうすれば、そこに、新たな風が吹く。 きっと、穏やかな優しい風が吹いてくる。   平成27年 『大法輪』巻頭言より「春の章」抜粋...

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12月 10日 逃げたら・・・

  逃げたらあかん    石川洋 つらいことが多いのは 感謝を知らないからだ 苦しいことが多いのは 自分に甘えがあるからだ 悲しいことが多いのは 自分のことしかわからないからだ 心配することが多いのは 今をけんめいに生きていないからだ 行きづまりが多いのは 自分が裸になれないからだ クヨクヨは欲のまわり道 グズグズは自分の出し惜しみ いたらない人間なのだから あたためあっていこう 空いっぱいに空があるように 心いっぱい美しい心を育てよう おくれてもいい 寝ている兎さんを起こしてあげられる カメさんに 私はなりたいな      自戒  石川 洋 辛いことが多いのは 感謝を知らないから 苦しいことが多いのは 自分に甘えがあるから 悲しいことが多いのは 自分のことが分からないから 心配ごとが多いのは 今を懸命に生きてないから 行きづまりが多いのは 自分が裸になれないから  ...

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