大童法慧 | お寺の在り方 僧侶の生き方
何かを得ようとするのではなく 何かを捨ててみよう
大童法慧,曹洞宗,僧侶,祈祷,相談,生き方,悩み
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2月 21日 お寺の在り方 僧侶の生き方

ある方から、下記のような問いを頂きました。
先日 親父の祥月命日(1月4日)にお参りをお寺にお願いしたら 1月5日までお休みなので その後にして欲しいとの連絡が寺からありました。
ご意見を伺いたいのです。
以前、私が勤めていたお寺は・・・
電話の受付時間は、9時から17時まででした。
友引の前日及び、友引の午前中は、休みでした。
歴史もあり伽藍も大きな名刹で、霊園も経営し会館もありました。
しかし、お葬式やご法事以外に、全く、人が来る事のないお寺でした。
そのおかげか、表立ってのクレームは、多くありませんでした。
お寺の在り様は、宗旨や宗派に関らず、ご住職の見識次第だと思います。
もちろん、それを支える檀信徒の方々の協力は言うを俟ちません。
お寺の収入だけで維持していけるお寺もあれば、兼職しなければ生活もできないお寺もあります。それは、概ね、檀信徒の数に左右されます。
裕福なお寺の事を肉山<にくさん>といい、貧しいお寺の事を骨山<こっさん>とよびます。
最近のお寺は、その存在価値を見直すため、人をお寺に集める試みが数多くなされています。
例えば、勉強会や坐禅会を開いたり、コンサートを開催したり、落語会を催したり・・・実に、様々なイベントがあります。
まず、お寺に人を集めることによって、地域社会のコミュニティの核になろうと努めています。
社会福祉事業に熱心に取り組むご住職も少なくありません。
不登校やひきこもりの子供を預かり、共に生活しながら、自立を支援するご住職もいらっしゃいます。
24時間お寺にいつでもどうぞ、と宣言し、悩み苦しむ人を受け入れる体制をとられているご住職もおられます。
戒名を売ることだけを目的とした商売をしている人もいます。
お袈裟や衣の色や、持ち物の値段ばかりを気になさるお洒落な人もいます。
数回の練習で、得度もしていない素人さんに葬式や法事をさせる人もいます。
繰り返し申し上げますが、お寺の在り方は、ご住職の見識次第であります。
見識とは、僧侶としていかに生きるか、だと思います。
そして、その見識を、お檀家さんが受け入れるか否か、になるのでしょう。
私自身はと申しますと・・・
何にもならない事を、命懸けでするお坊さんになりたいですね。
坐禅も朝課も、考えようによっては、ちっとも、お金にはならないし、社会福祉のように、直接、人に手を差し伸べる事もありません。
じゃあ、坐禅や朝課が意味ないのか?
そうではない。決して、そうではありません。
その一見、無価値で役に立っていないところに、実は、かけがえのない、何ものにも代えられない、いのちの風光が輝き、この世界を遍く照らし続けている。
そんな、山の佛法を、僧侶としての生き方にしたいですね。
日々の暮らしの中で、あたりまえに、為すことを成し、坐り、祖録に親しみ、縁ある方々を大切にする禅僧になりたい。
ちょっと、お酒は飲むけれど・・いや、かなり飲むけれど・・・
あなたが、善し悪しの表層のみに捉われない事を祈ります。
お父様への思いやご供養を大切にしながら、真実のいのちがあることを、自分を高めていく世界があることを、どうか、忘れないでいただきたいのです。

2006年2月11日  読売新聞より
長野市の善光寺の僧侶ら9人が、個人加盟できる労働組合に加入し、寺院内に独自の分会を結成した。分会は「今後、賃上げなどの交渉を行いたい」としている。
僧侶を中心にした寺院内労組は全国的にも珍しく、労働団体の中央組織も「以前は大阪にあったが現在はない」(連合)、「聞いたことがない」(全労連)などと話している。
労組を結成したのは、善光寺で塔頭(たっちゅう)25ヶ院を束ねる天台宗大本山「大勧進」の僧侶と一般職員、パート約45人のうち、僧侶5人と職員4人。1月に全労連系の「長野県一般労働組合」の分会として「善光寺大勧進分会」(花岡利家分会長)を発足させた。
分会は、「大勧進」側と塔頭の間でトップの進退を巡ってトラブルになった際、塔頭側に同調した僧侶(52)が、県一般労組に個人加盟したのがきっかけ。同僚らが同労組に加入、分会発足につながった。
長野県一般労組の木継勇一書記長は、「僧侶は労働者とは思っていなかったが、相談を受けるうちに労働者であるとわかった」としている。「大勧進」側は、発足について「ノーコメント」としている。
僧侶は労働者なのか?
現実に、僧侶は、サービス業に分類されていますけどね。
雇われ坊さんの悲哀もわかります。
私は、止むに止まれず、辞職してしまいました。


4 個のコメントがあります
  • 紗羅
    Posted at 00:42h, 22 2月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 65b03c4daa4ef2247ab7bd45aae9d27b
    お寺のことは私には良くわかりませんが、きっといろいろな事情があるのでしょうね。 お寺を守るためには利益をあげることも考え、お寺の経営がお金儲けやビジネスになっていくのはある程度仕方のないことなんでしょうか。 事情を知らない私のような素人が言うのはおこがましいかもしれませんが、宗教が『商売』になっているのを見るのは悲しいことです。 
    何もならない事を命がけでしてくださるような、法慧さんのような方にお会いしたいです。

  • 法慧
    Posted at 22:11h, 22 2月 返信

    SECRET: 0
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    いつか、お参り下さい。
    機縁熟して、お会いできた時に、変節していないように精進してまいります。

  • kasaru_2005
    Posted at 09:17h, 24 2月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 708fd5ee36cd8330d34a9451a1029b10
    住職は職業です。
    住職は夫々です。
    文化財と終の住処 お墓を守り抜く使命感・・・
    残念ながら 家族を持つと こころだけでは生活出来ません。
    寺とは、住職とは個々に違います。
    でも 特別ではありません。
    悩み事も占い師のほうが 的を得ていますものね。

  • 法慧
    Posted at 10:24h, 05 3月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    住職は職業なんかじゃない。
    ・・・そんな、青臭い事を信じながら、私は生きておりますが・・・
    変わり者?異端?
    生活は苦しいのは、しかたない事だよね。

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