大童法慧 | 心得
何かを得ようとするのではなく 何かを捨ててみよう
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2月 04日 心得

先日、急用のため、新横浜から広島に向かう新幹線に飛び乗りました。
新大阪に到着した時のこと。
不意に前の座席から、金髪で鼻にピアスをした若者から、「あの~、すみません」と声をかけられました。
「何ですか」と応じると、彼はこう言ったのです。
「座席を少し倒してもいいですか」
正直な話、まさかそんな言葉を聞くとは思いませんでした。
そして、自らを省みて、飛行機でも新幹線でも座席を倒す時、その言葉をかけることを忘れておりました。
だから、彼に対して「ありがとう。どうぞ。」と答えました。
彼との出会いは、それだけです。
でも私は、「ああ、こういう所だな」「こういう命の使い方を心得ておかなければならないな」と教えられました。
そういえば、新幹線が停車するたびに、乗り換えのご案内とこんなアナウンスが流れています。
「お降りの際は、お座りになられました座席のシートをもとに戻すのに御協力ください」
停車する駅ごとに、このアナウンスが入る事を考えれば、おそらく徹底されていないのでしょう。
座席をもとに戻すどころか、前のアミには、ゴミを入れてそのままだし、読んだ新聞や雑誌は席においたまま。
わりとよく目にする光景です。
口をとがらせ、権利ばかりを要求する姿。
居酒屋では食い散らかし、ホテルのベットには濡れたバスタオル。
スーパーに行けば、買うつもりのお刺身をやめて、肉の売り場に置き残す。
心得ておきたい言葉の一つです。
「すみません、座席を後ろに倒してもいいでしょうか」


MEMO
1、いいか、どっからでもかかってこいなんて啖呵をいつまでも切って世間を渡るんじゃねぇ。
人に殴られたら、「お手は痛みませんでしたか」と言えるくれぇじゃなくてどうする。
浪曲「天保水滸伝」


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