大童法慧 | 琴の喩
何かを得ようとするのではなく 何かを捨ててみよう
大童法慧,曹洞宗,僧侶,祈祷,相談,生き方,悩み
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3月 18日 琴の喩

世の中の苦しみや人の悲しみを、一身に背負い、その地位を捨て、三人の妻を捨て、たった一人の我が子をも捨てて、お釈迦さまは沙門となりました。
師とするに足る人もいず、苦行の中に、真実を見出そうとされました。
断食や呼吸の抑制、不眠、不座・・・その極限まで自分の肉体を苛む事で魂の浄化をはかり、完全なる悟りと安心を求められました。
その小食のために私の肢の節は草の節のようになった。
その小食のために私の肋骨は腐食し破れてしまった。
私は腹の皮に触れようとすると脊柱をとらえてしまい、
脊柱に触れようとすると腹の皮をとらえてしまった。
・・・六年間の苦行をしたお姿が、パキスタンのラホール美術館に釈迦苦行像としてあります。
「琴は強くしめれば糸が切れ、弱くても音が悪い。
琴は、糸を中ほどに締めて、初めて音色がよい。」
ある日、こんな歌がお釈迦さまの耳に届いたそうです。
お釈迦さまには、この世俗の歌が天啓であり、契機となりました。
苦行だけでは、何の解決にもならない、と。
この身あってこその、この世であるのだ、と。


弟子にソーナという若者がおりました。
出家する以前の彼は、足の裏まで産毛が生えていたという逸話があり、下にも置かれないぐらい大事に育てられていました。
ソーナは、一生懸命修行に励みます。その足の裏は裂け、血が流れ、ソーナの歩いた後は血まみれになりました。しかし、彼はどうしても悟りと安心が得られません。
失意の中にあるソーナに、お釈迦様は言われました。
「ソーナよ、あなたは琴の名手と聞く。琴というものは良い音色を出すのに、どのように琴の弦を調えればよいかね?」
「はい、弦はしめつけたり、ゆるくしたりしない事です」
「そうだろう。弦を張りすぎたり、ゆるめすぎりすると、美しい音色は出ない。仏の道もそれと同じなのだよ。急ぐことなく、緩むことなく心の平安を保って道を修めることが大事なのだよ」

張り過ぎず、緩め過ぎず。
そのどちらにも偏らず、とらわれを離れること。
これを中道<ちゅうどう>の教えといいます。


11 個のコメントがあります
  • 桃麗
    Posted at 13:25h, 18 3月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 2c23442d46394b242b0e6dd281417125
    法慧さん、こんにちわ♪
    いつも簡素で為になる説法、ありがとうございます。
    今回の『中道の教え』。
    本当ですね~。
    随分心が楽になれました。
    (元々楽してるべ?と言わないで・・・)
    暖かくなって参りましたネ♪
    しかし、花冷えの季節。
    日本酒でお体を温めておくんなさいまし。

  • 桃麗
    Posted at 13:27h, 18 3月 返信

    SECRET: 1
    PASS: 2c23442d46394b242b0e6dd281417125
    法慧さん、先日は本当にありがとうございました。
    私は今日から韓国へ行って参ります♪
    お土産返しとはいかないまでも、
    何か物色して参ります。。。。
    それまでしばしお待ちを~~!

  • remains
    Posted at 13:33h, 18 3月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
     何ものにも囚われず中庸である事。
     げに難しき事なれど
     大切なものは無し。
     又、中庸に囚われず在る事も
     これ大切な事なり。
     在るがままを観、在るがままに在り。
     生きると言うは、誠に在り難き事かな。
     いつもありがとうございます。
     

  • ゆきんこ
    Posted at 19:29h, 18 3月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    障害のあるみなさんとかかわる療育指導員時代に、ソーナにまつわる教訓と同じ教えをH先生に受けたことを思い出しました。私の祖父一族も同業者ですので、ご縁がありアクセスしてくださってありがとうございます。
    スジャータの法話をリクエストして宜しいでしょうか。
    今後ともよろしく御願い致します。
    合掌

  • 香乃
    Posted at 19:56h, 18 3月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 38a9a2bd481c318de68b1ad291d5302f
    訪問履歴をたどって、こちらにたどり着きました。
    此方には、何度かお邪魔させていただき、色々学ばせていただいています。
    琴の話、すごく心に響きました。
    自分を責めすぎず、また怠惰になったりせずに続けていくことの大事さを、最近痛感しています。
    もしよろしければ、近日中にトラックバックさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?
    では、また近い内にお邪魔させていただきます。

  • 法慧
    Posted at 09:03h, 19 3月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    桃麗さん
    簡素で質素で、つつましやかな暮らしです。
    ・・・が、毎日、飲んでおります。
    remainsさん
    人身、得ること難く
    仏法、値うこと希れなり
    ゆきんこさん
    同業者ですか?同じなりわいの者。
    スジャータは難しいって、同業者の方はおっしゃっていませんでしたか?
    ゆっくり、やってますから、また、どうぞ。
    香乃さん
    以前、トラックバックを全部削除しました。
    それでも、よろしければ・・・。
    のんびり書いてますので、また、どうぞ。

  • うめ
    Posted at 00:23h, 20 3月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    <ちゅうどう>の教え、いい法話です。
    心がキュッと縮んでいる時、この法話を聞くと寛大になりますね。
    こちらは3月15日、お釈迦さんでした。
    お釈迦さんと言えば、マムシ除けでお釈迦さんの鼻くそを頂きます。
    お釈迦さんって何でもご利益があるのですね♪

  • nasukabu
    Posted at 21:01h, 20 3月 返信

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    昨日は、わざわざインドのお土産をありがとうございました。
    妻が「うわぁ~っ!きれぇ~い!なハッ葉」と感激していました。
    額に入れて大事に飾って置くそうです。
    それからカレーの作り方を聞いたのですが、忘れてしまったので、もう一度妻によく伝授して下さい。スミマセン。

  • 法慧
    Posted at 14:45h, 21 3月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    涅槃会が、ひと月遅れで行われている地域なんですね。
    花草だんご⇒鼻くそだんご⇒鼻くそ
    というふうに、変化したようですね。
    マムシ除けの効能は、初めて聞きました。

  • うめ
    Posted at 23:30h, 21 3月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    法慧さん、花草だんごから来てたのですか!
    知りませんでした。
    もち米の粉で作ってあるだけの物なのですが・・・
    ところで、宗派によって卒塔婆が読めない文字があるのですが、インドの方の言葉ですかね?

  • 正敬寺
    Posted at 16:42h, 22 3月 返信

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ご訪問有難うございます。同じ僧侶として、時々、ブログを読ませていただいております。よく勉強されていてすばらしいといつも感心しております。私も、法慧さんのような文章が書けたらと思うこともたびたびです。
    今後も宜しくお願いいたします。   合掌

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