11月 13日 映画 『おくりびと』
ラストは、本木雅弘さんが、父親役の峰岸徹さんを納棺する場面でした。
母と自分を捨てて出奔した父親の訃報を頑なに拒む本木さんに、妻や社長や社員が彼の心情に訴えました。「それで、本当に後悔をしないのか」、と。
彼は妻とともに駆けつけ、父親の亡骸と対面します。
そして、棺を運んできた葬儀社の社員が、父親の荷物を足で動かしたのを見て・・・
大切な人との永訣にあたって、その人のために何かをせずにはおられない心情こそが、私は葬送の出発点ではないかと思います。
さまざまな人生があるように、別れの場をひとくくりにはできません。
それぞれの家庭には、独自の事情があります。
信じられないかもしれませんが・・・
故人の死を悼むよりも、むしろ、喜びとする遺族がいます。
葬送というよりも、むしろ、遺体処理と呼ぶにふさわしい葬儀があります。
また、比べるわけではありませんが・・・
子供の葬儀に立ち会う時は、やはり、とても切ないものです。
自死の葬儀を執り行う時は、やはり、自ずと注意深くなるものです。
遺言やエンディングノートを残したり、葬儀社に生前予約したりしたとしても・・・
自分で自分の葬儀をする事はできません。
思い描いた「自分らしい葬儀」を、自分が見届ける事はできない。
自分の葬儀の「おくりびと」は遺族であり、そして、その死に携わる者です。
土地柄や宗派によっても、葬儀にはさまざまな形態がありますが・・・
故人宛の手紙を書く事をすすめる葬儀社もあります。
お供えの涅槃団子を作るセットを遺族に渡す葬儀社もあります。
ラストサパー、故人との最後の食事の時間を大切にする葬儀社もあります。
私もおくりびとの一人として、
最近、遺族に『悲しみを杖として』と題した拙文をお渡ししております。
昨今は、時間をかけない別れが流行しつつあるようですが・・・
普段から、大切な人のために何かをせずにはおられない心情を養いたいものです。
また、そんな大切な人と多く巡り会う人生でありたいものです。
MEMO
1、死は門。旅立ちの門。
2、穢
3、「うまいんだなぁ、これが・・・困った事に・・・」
暁
Posted at 00:33h, 15 11月SECRET: 0
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先週、2歳の娘が亡くなりました。いまだに何が何だか分かりません。私も夫も限界です。
寝むれずにネットを徘徊していたら、偶然、あなたのブログと出会いました。貪るように過去の記事も読みました。やっと泣くことが出来ました。
ありがとうございます。
慧
Posted at 09:29h, 15 11月SECRET: 0
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悲しみや辛さを持て余す時は、メールして下さいね。
どうぞ、大切に、大切に。
原田
Posted at 13:17h, 16 11月SECRET: 0
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このブログから光を得ている者の一人として、あなたとあなたの御家族のこと、お祈りしております。
どうか、大切に、大切に。
D.S.
Posted at 21:56h, 18 11月SECRET: 0
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今は過ごす「時間」が辛くとも、その「時間」がまた娘さんの居場所を心の中に作ってくれることでしょう・・・。
辛くとも苦しくとも「時間」を味方につけてみては如何でしょうか。
どうぞ、大切に、大切に。
らぶり☆
Posted at 06:43h, 19 11月SECRET: 0
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自己実現、とか、自己決定とか、自己責任とか。「自分で」てことに、なんだかガチガチになっていたのかもしれないゾ、とふと思いました。
誰かに何かしてあげたいと思う気持ち、大切にしたいです。
慧
Posted at 09:02h, 19 11月SECRET: 0
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ありがとう。
中学生の頃でした。
ラジオ番組で、山口洋子さんが「こだわりという言葉は醜いもの」と言われた時に、とても衝撃を受けたのを覚えています。
般若心経に、無罣礙<むけいげ>という言葉があります。わだかまりやこだわりのない自由な心という意です。
こだわりは大切です。
しかし、それだけではない。
こだわりを突き抜けた世界がある。
さぁ、大きく深呼吸して、また、歩みを進めましょう。
岳さん
Posted at 22:28h, 01 12月SECRET: 0
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その人が亡くなる2年前に、親族が立ち会い、弁護士に依頼して、遺言書を作成したのでした。
その人は、奥さんに9年前に先立たれたものの、親族が一生懸命支えて、旅だって行きました。
葬儀が終わって、一人の行政書士が訪れました。
行政書士は、その人の遺言書を披露いたしました。実は、1年前に公正証書の作成を依頼され、遺言書を作ったのです。
「誰にも、告げないで欲しい」とも言われたそうです。
弁護士は烈火のごとく怒りました。親族は戸惑い、狼狽します。新たに指名された遺言を聞いた人は、驚き、困惑しました。
誰もがどうしてと思っても、その答は聞くことができません。
人の潔さが、亡くなった後に残す遺志に翻弄され、「86年生きて、可哀想な人だった」と刻印されました。
しかし、その人にとっては、変わることで安心できたのだろうなあ~。
でも、変わったことで、波立つこともあるし……。
慧
Posted at 09:16h, 02 12月SECRET: 0
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花深く咲く処、行跡なし
有漏路より 無漏路に帰る 一休み
雨降らば降れ 風吹かば吹け 一休
ここらのあたりの消息になれれば、合格なんでしょうが・・・
あるく
Posted at 17:38h, 02 12月SECRET: 0
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近頃の人には「悲しみの感情」とか「死者を丁寧に弔う」という感情が希薄なように思います。
それが、月命日も祥月命日もやらないことにつながっている。
仏壇も拝まない、神棚も拝まない、こういう家庭の子供たちは、今の親よりひどい親になるのでしょうね。
慧
Posted at 21:48h, 02 12月SECRET: 0
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悲観せずに、諦めずに、自分の出来る事からはじめましょうよ。
きっと、変わってきますよ。
岳さん
Posted at 10:50h, 03 12月SECRET: 0
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花深く咲く処、行跡なし
そうなんですね。
でも、私としては、その人の没蹤跡のところを見ると、花深く咲くであり、送り人としては、「人の息を引き取った息を引き継ぐ」作業に、いつも戸惑い揺れます。
「雨降らば降れ 風吹かば吹け」というけれど、私としては、「雨が降れば降る、風が吹けば吹く」と、降り吹くまっただ中に、寒い、いい風だと。
無漏路より有漏路に入りて一作業
あるく
Posted at 11:38h, 04 12月SECRET: 1
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心強いお言葉ありがとうございます。
久しぶりに目が覚めた感じがします。
人格者なんですね。