9月 30日 現場
<出棺>
写真なんか撮るなよ…こんなところを。
優しい言葉なんかかけないでくれよ・・・いまさら。
最期だからといって、そんなに見つめないでくれ・・・恥ずかしいじゃないか。
棺の中の俺の顔を、待ち受けにするのか・・・
花もそんなにいらないよ。だって、うっとおしいもの。
それなら、酒とおにぎりを入れてくれ。
<収骨>
「骨壺に収まりきらないので、少しお骨を砕いてもよろしいですか。
普通の人よりも、多くのお骨が残っていますから」と、お決まりの言葉。
「では、お近くにお集まりください」と声をかけ、おもむろに箸を構える職員さん。
固唾をのんで見守る一同。
できるだけ平静を装い、「こちらが、下顎です」と低い声で語る。
視線を感じながら、丁重に扱い、壺の中に収める。
「こちらが、右の耳、そして左の耳。穴があいてますよね。」
「そして、こちらが、喉仏です。坐禅をしているような様子です。
このように綺麗な形で残るのは、たいへん珍しいです。」
・・・案の定、感嘆の声があがる。
嗚呼まるで、骨の品評会。
memo
1、 バルーン宇宙葬
2、 散骨の島 カズラ島
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