5月 31日 豊潤な祈りの時間
「毎朝、お初をお供えして、お茶と水をあげて、線香をたてて、手を合わす。
ご先祖様にじゃないよ、親父とお袋にだよ、俺が手を合わせるのは。
もう、親が死んで33年だよ。俺も、もう間もなく70さ。
いつお迎えが来ても、おかしくはないさ。覚悟はしてるよ。
お恥ずかしいけど、独り身でさ。結婚はしたんだけど別れちゃってね。
幸い、ガキもできなかったから。
33年の区切りっていうか、
なんだか、お坊さんにお経を読んでもらいたくなってね。
悪いけど、うちまで来てお経をあげてもらえないかな?
少し、遠いけれどお願いします。」
・・・しわがれ声だけれども、穏やかな響きある人から電話があった。
自宅でのお勤めを終えての茶飲み話。
毎朝、亡き母を思い、亡き父を偲ぶ。
何かあれば、母に打ち明け、父に頼る。
頂き物があれば母に見せ、季節になれば旬の物を父にすすめる。
若い頃、親の意見など耳も貸さず、家を飛び出したけれども・・・
今だからこそ、この時が持てた。こうして、この形で話しができる。
豊潤な祈りの時間。
優しさに満たされたあたたかな時間・・・孝順の心。
倶会一処<くえいっしょ>は、『阿弥陀経』にある言葉。
ご縁の深い者たちが、ともにひとつの場所で出会うという意。
ひとつの場所とは、お浄土の事らしいけれども・・・
お浄土って、遠くにあるような気がするかもしれないけれども・・・
今のあなたなら、おわかりでしょう。
そう、いま・ここ。いま・ここ。
親の意見と冷や酒は 後で効く
『河内音頭』の一節
暑い季節、キリっと冷やした酒は口当たりが良く、ついつい飲みすぎて。
冷や酒を飲むと、あとで酔いが回ってくるように・・・
親の意見も、若い頃は煩わしく思い、聞き流してしまう事が多いけれども・・・
後になって、なるほど、と。
remains
Posted at 13:42h, 01 6月SECRET: 0
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亡きご両親に手を合わせる心も
今を生きるものに手を合わせる心も
尊いものですよね。
ところで最近多いのですが子供を作らないで老いていく方。
思うに、本人には手を合わせる方がいるでしょうが、当のご本人には手を合わせてくれる子孫がいないと言う事。これはとても寂しい事だと思いまする。
手を合わせるという尊い心のあり方を子孫に受け継いでもらう事も人としての大切な役目なのではと思えるのですよね。余談でした。
法慧
Posted at 20:44h, 01 6月SECRET: 0
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子供を作らない選択をされた方、望んでも恵まれなかった方、逆縁の憂き目にあわれた方。それぞれの家庭に思いと事情がありますからね。
ただ、手を合わす心は大切にしたいですよね。
kumi
Posted at 03:12h, 02 6月SECRET: 0
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檀家さんとの会話をいつも楽しみに読ませていただいております。
実家の父がお墓を作る時、「倶会一処」と
書いてくれと私に頼みました。
出来上がったお墓には私の字で「倶会一処」と彫られています。
今日のブログを拝見してその事を思い出しました。
法慧
Posted at 06:39h, 02 6月SECRET: 0
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倶会一処は、浄土真宗の方が用いられる事が多いですね。
禅門では、あまり使いませんが、好きな言葉のひとつです。
ぷるぷる
Posted at 17:39h, 02 6月SECRET: 0
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私も最愛の父を亡くして10年になります
朝に祈り夜寝る前に祈っています
時々父方の祖母と父が夢に出ってきます
今思えばふたりに感謝してます
元気で明るい人になるように育ってくださたことを
法慧
Posted at 21:11h, 02 6月SECRET: 0
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元気で明るいは、何よりの財産ですね。
また、どうぞお寄りください。
eMoon
Posted at 14:01h, 03 6月SECRET: 0
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久しぶりに、お寺を訪ねてみたくなりました。
うちのお寺は
お山の上のほうにあるので、とても見晴らしがいいのです。
お寺の主さんのことを、「ほうじょうさん」と呼んでいたことを思い出しました。
てっきりそのお宅の苗字が「北条さん」とかなのかなあ、と思っていたのですが
ざんねんながら苗字はぜんぜん違うことを知り
なんでなのかなぁ・・と未だに不思議です。
法慧
Posted at 17:46h, 03 6月SECRET: 0
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ほうじょうとは、方丈と書きます。
4畳半くらいの小さな部屋の事で、維摩経にちなんで、住職の居室を方丈といい、そこから、住職その人指して方丈と呼ぶようになりました。
特に禅宗では、ご住職を方丈さんや老師と呼んでいます。
他宗では、御上人、ごぜんさま・・・様々ですね。
分からない時は、和尚様と呼べば、間違いないでしょう。
因みに、葬儀社の人は、お坊さんを見ると、先生と呼んでますね。・・・先生じゃあないんだけどね。
eMoon★
Posted at 17:29h, 04 6月SECRET: 0
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べんきょうになりました。ありがとうございますmm
そうなんだぁ^^
葬儀社の人は「先生」って呼ぶんだぁ・・(笑
かつて3年間ほどでしたが所帯を持った相手が葬儀社に勤務していました^^
法慧
Posted at 17:39h, 04 6月SECRET: 0
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先に生きているから、先生。
先ず生きているから、先生。
本当に、先生と呼ぶにふさわしい方であるならば、問題ないでしょうけど。
人間をダメにする呼び方かもしれませんね。
うめ
Posted at 22:50h, 04 6月SECRET: 0
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法慧さん、とてもいいお話ですね。
うちも親が亡くなってからお墓参りに行っています。
生前は許すと言う心の寛大さが全然出来なくて・・・・心の狭い人間です。
法慧
Posted at 04:55h, 05 6月SECRET: 0
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恕と書いて、ゆるすと読みます。
他人の立場や心情を察し、思いやる事の意です。
誰しも、心の狭い一面を持っていると思います。
亡くなってからも教えてくれた、気付かせてくれたと、受け止めたいですね。