8月 05日 43回忌
43回忌。
白茶けた写真には、太っちょの男の子。隣には三輪車。
こちらに向かって、満面の笑み。
42年間・・・ご両親はこの笑顔に、どれほど救われただろうか。
この笑顔が、どんなに痛かっただろうか。
「和尚さんはいくつ?」
そう聞かれて「昭和44年生まれ、今年44歳です」と答えると、母親はうなずくように話を始めた。
「じゃあ、いっしょだ。うちのは、二つで亡くなったのよ。
生きていたら、和尚さんぐらいだったのね」
とてもとても可愛い、賢いお子さんだった、と。
2歳で、病で、あっという間に、と。
そして、二度と子供を授かることはなかった、と。
帰り際、母親が笑顔で言った。
「ね、お願い。握手して」
MEMO
1、生きるための法事 しないでいられない法事
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