大童法慧 | 「無常のはたらき」
何かを得ようとするのではなく 何かを捨ててみよう
大童法慧,曹洞宗,僧侶,祈祷,相談,生き方,悩み
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9月 21日 「無常のはたらき」

新大阪から東京に向かう、新幹線。
名古屋で、杖をつく老僧が、私の隣の席にお座りになられました。
齢80、臨済宗の御老僧でした。
友人の葬儀に行き、これから、自坊に帰られるとの事。
そのしわがれ声にぬくもりを感じ、東京までの2時間、ビールを飲みながらお話を頂きました。
1、吾我名利の念、自分の物差しを捨てる。
2、現実をなさしめるものは何かの視点。
現れたものだけを見て、現実という。しかし、「何故、現れたのか」の視点を。
3、生きている間に、人間の目覚めを訴えるのが仏教。
人間にならずして、多くの人が、死んで仏となる。
4、社会の価値に幻惑された人生。道徳や倫理に犯された人生。
世の中の価値だけを集める人生。表を飾る。
人間をほったらかしにして、世の中の価値だけで競争する。
教育や社会はできるか、否かだけを問う。
それは、能力の問題であって、人間性の問題ではない。
5、真理に適わなければ、どんなにそれを好んでいても、潔く捨てていく。
どんなに辛くとも、それを受け止めていく。
「人生を自分の計らいではなく、いのちそのものにまかせきる事を生活の上で持てば、そう心配することはない」とさらりと語った言葉に、有無を言わせない強靭な力を感じました。
長年、練られ練られて、坐ってこられた信心の結晶だ、と。
「こんな日本だからこそ、無常のはたらきを説かなければ・・・」と、肩をたたかれました。


MEMO
1、他人の不幸を願うよりも、己の幸せを祈る
2、してあげた事を数えるよりも、していただいた事を忘れない
3、自分がして欲しいように、相手にしてあげなさい


4 個のコメントがあります
  • ひろみつ
    Posted at 10:28h, 21 9月 返信

    SECRET: 0
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    >「人生を自分の計らいではなく、いのちそ>のものにまかせきる事を生活の上で持てば、そう心配することはない
    この一節にドキッとしました。心の余裕とか言いますが、こういうことを言うのだろうかと・・・・・死ぬまでにほんの一瞬でもこういう境地になりたいものだと思います。

  • Posted at 17:00h, 21 9月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    借り物ではない、一言ですね。
    重く受け止めております。

  • 大閑道人
    Posted at 06:53h, 23 9月 返信

    SECRET: 1
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    己の不幸を嘆くよりも、他人の幸を祈る
    が「適切」なのではなかろうか??

  • 白蓮華
    Posted at 00:52h, 29 9月 返信

    SECRET: 1
    PASS: 0aa037863c4c086d018919d17cefa018
    私は先日、大阪からの帰りの新幹線で
    京都からご一緒だった、まだお若い
    とても素敵なお坊さんを拝見
    いたしました。
    「まだお若いのに、なんとご立派な…」
    心の中で呟きました。
    僧侶とは、そのお姿だけで
    心を神聖にしてくださる尊さを
    お持ちだと改めて感じた日でした。

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