7月 29日 人の悲しみの邪魔をしない
6月に父親と死別した娘さん。
いろんなことを経験して実家に戻り、父と娘の二人で長いこと暮らしてきたという。
喧嘩も少なくはなかったけれど、数年に渡り在宅で看護を尽くしてきた。
けれども、ふと「まだまだ何か足りなかったのではなかったのだろうかと」という想いが湧いてくるという。
「父親も天寿を全うしたし、私もいい歳だから」と前置きしたうえで、「こんなに泣くとは思わなかったし、こんなに寂しいものだとは思わなかった」と語られた。
今、一番の気がかりは、父親の弟のこと。
「49日は、仏壇は、納骨は、初盆は」とあらゆることに口をはさんで、最後に付け足す言葉は、「こうしなければ、兄貴は成仏できない」
はじめての喪主、もちろん、しきたりや慣習などもわからない。
そんなふうに断言されてしまうと、そうしなければならないと思ってしまう。
周りの言葉に振り回されて、疲れてしまっている自分がいる。
「じゃあ、魔法の言葉をお教えしましょうか?」と尋ねると、「ぜひ」と身を乗り出してこられたので、「〇〇〇〇〇」と伝えたところ、ニッコリ微笑んだ。
人の悲しみを邪魔してはならない。
人の悲しみを邪魔してはならないのだ。
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