大童法慧 | 友を亡くし 悲嘆に押し潰されそうな貴殿に
何かを得ようとするのではなく 何かを捨ててみよう
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12月 04日 友を亡くし 悲嘆に押し潰されそうな貴殿に

 

先日、「いのちの故郷はどこか」と問い詰めてきた貴殿に

私は「足元だ」と応じました

私も 今 とても弱っているから そんな程度にしか応えられなかった

 

少し丁寧に言うならば それは虚空です

天国という国や浄土という場所が どこかにあるのではありません

どこかに いのちの故郷という集合体が あるのではないのです

いのち自体が ご縁に応じて現れ ご縁尽きれば滅していく

そして それぞれのご縁に応じて転じていく

今生の役割を終え 転じていく そのはたらきが いのちの故郷です

今はまだ虚空としか表現できませんが

そこは 是非得失がない 争いも諍いもない 穏やかな世界です

しかし それぞれのご縁を潔く背負わなければなりません

そして 私たちは それぞれのご縁に応じて また新たな旅を続けるのです

 

どうか 少し視線をあげて 周りを見渡してください

この街には海はないけれども 四方に ここ数日で冠雪した山があります

私は 四季に応じて移り変わる山の姿に 心が揺さぶられることがあります

 

朝 自然と手をあわさないでいられない暁光

昼 己の勤め果たすことで出会う景色

夜 一日を終えることができた喜び

 

自分自身を 大自然を この世を支えているものに思いを馳せてみましょう

実は 私たちの思いや計らいを超えた世界があるのです

だから 人智を越えた世界に頭を垂れるような畏怖の念を共に持ちたいと願います

 

場末のスナックで「酒と泪と男と女」を声が枯れるまで歌っても

酔い潰れるまで飲んでも 夜通し泣いても 人の身を嘆いても

残念だけど 悔しいけれど 友は帰ってきません

 

しかし 私たちには 融通無碍な心があります

その心は 数十年前にも赴くことができる だから あの時に還ることもできる

その心は 大切な人と過ごした濃厚な時間を 忘れることはありません

その心は ある瞬間 友の佇まいを親しく感じ取ることもできる

その心は 数十年後を見届けることもできる

そして その心は 大いなるものの呼びかけに 応じることもできるのです

 

どうか 恐れずに 友の在処を 探し続けて欲しい

日々 友を念じながら 手をあわす時間を持ち続けて欲しい

そうすれば いのちは永遠なんだと頷く時節が来ることでしょう

 

こんな我が儘な私を いつも気にかけてくれて 支えてくれて本当にありがとうございます

また そのうち お店に行くよ!

 

 

今日も いいことがありました!

 

 

 


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