12月 03日 なぜ、殺す

栃木で行方不明になった女児が、茨城で死体で発見されたという。
広島では、ダンボールに入れられ、奈良では昨年、その顔をメールで親に送りつけた。
なぜ、殺すのだ。
何故、殺さなければならないのだ。
亡くなった子供たちは、深い絶望と恐怖を押し付けられた。
残された親や親族は、抱えきれない憤りと無念を持たされた。
なぜ、殺すのだ。
何故、殺さなければならないのだ。
愚かな、あまりにも愚かな犯人の自分勝手な思いだけで・・・。
その場に居合わせたということだけで・・・。
１０歳に満たない子供たちが、何故、殺されねばならなかったのか。
浄土真宗の親鸞聖人は『歎異抄』で、悪人正機を説かれた。
「善人なおもて往生をとぐ。いわんや、悪人をや。」
善人ですら極楽往生できるのだから、悪人が極楽往生できないわけはないではないか・・・と。
この尊い教えを誤解する人もいた。
善人になるよりも悪人となった方が得じゃないか、と。
どうせ、地獄に落ちないのなら、好き勝手しよう、と。
親鸞聖人が言ってるじゃないか、と。
しかし、それが、はたして信仰であろうか。
いや、それが、まっとうな人間の抱く思考であろうか。
親鸞聖人のその思いを、本当に、本当に受け止めれば、悪さなどは決してできまい。
悪いことをしようとなど、決して、思いつきもしないであろう。
言葉尻を捕まえ得意顔になり、自己弁護し、他人を平気で踏みにじる。
広島の犯人は、悪魔が乗り移って犯行に及んだという。
そんな悪魔なんか、追い出せばいいんだ。
そんな悪魔なんか、打ち棄てればいいんだ。
そんな悪魔なんか、取り付く島もないほどに真剣に生きろ。
そんなものが、人を殺す理由には、決してならない。
かけがえのない人の命を、幼い子供の可能性を、その子の親の一生を・・・奪う権利はどこにもない。
切に、切に、ご冥福を