8月 28日 常不軽菩薩
比丘はただ万事は要らず 常不軽菩薩の行ぞ殊勝なりける 良寛
法要が得意でなくてもいい。
法話が上手でなくてもいい。
衣やお袈裟の色を心配しなくてもいい。
でも、常不軽菩薩に憧れる心を忘れてはだめだよ、と良寛さんは示された。
常不軽菩薩は誰に対しても、手をあわせ礼拝した。
「我深く汝等を敬う、敢て軽慢せず。
所以は如何、汝等皆菩薩の道を行じて、当に作仏することを得べし。
・・・私は、あなたを敬います。
たとえ、周囲の人々が、あなたを非難し、あなたを蔑もうとも。
たとえ、苦しむ者をみて笑ったり、平気で物を盗んだり、自分のことしか好きになれないあなたであっても。
たとえ、信じたものに裏切られ、人生に失望し、自分自身を信じられなくなったとしても。
なぜならば、あなたは今、成仏道の過程を歩まれているのですから・・・」
そう、拝むとは、ふたつのものが一つになる事。
常不軽菩薩は、会う人に手をあわせ、礼拝をした。
でも、時節至らぬ者は・・・礼拝する彼に、罵詈雑言をあびせ、石を投げつけ、杖で打ったという。
指さして笑われる彼は、それでも、礼拝を繰り返した。
比丘はただ万事は要らず 常不軽菩薩の行ぞ殊勝なりける 良寛
MEMO
1、 常不軽菩薩品
2、 人の邪曲<よこしま>をみるなかれ
人のこれをなし、かれをなさざるをみることなかれ
ただおのれの何をなし、何をなさざるかを思うべし 『法句経 五十』
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