9月 06日 木版
私が修行した道場では、夜の坐禅の終わりに、木版が鳴りました。
古参の僧が木版を打ちながら、「生死事大 無常迅速 各宣醒覚 慎莫放逸」と、禅堂に坐る者たちに低い声で朗々と告げます。
静寂の中、木版を叩く音が身体に染み込み、その声が身体に響き渡ります。
生死は事大にして、無常は迅速なり
各々宜しく醒覚すべし 慎んで放逸すること莫れ
一日が過ぎるのは早いから気をつけなさい、という警告ではありません。
時間が私たちの上を走り去っているのではないのです。
そう、私たち自身が過ぎ去っている。
だからこそ、この人生を放逸に過ごしてはならないのです。
あんなに暑かった夏も終わりました。
私たちの夏も過ぎ去りました。
人生を愛おしむ互いでありたいと願います。
MEMO
1, 六祖壇経
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