大童法慧 | 衣の色
何かを得ようとするのではなく 何かを捨ててみよう
大童法慧,曹洞宗,僧侶,祈祷,相談,生き方,悩み
15282
post-template-default,single,single-post,postid-15282,single-format-standard,ajax_fade,page_not_loaded,,vertical_menu_enabled,side_area_uncovered_from_content,qode-child-theme-ver-1.0.0,qode-theme-ver-7.2,wpb-js-composer js-comp-ver-5.0.1,vc_responsive
 


11月 07日 衣の色

笑い話ではないのですが・・・
友人のお寺に呼ばれて、法話をした布教師さん。
お檀家さんが100人程度集まって、1時間半ほど彼のお話を聞いたそうです。
話し終えて、控室に戻った布教師さん。
そこに、お寺の総代さんが挨拶にきました。
「今日は、ありがとうございました。
いやぁ~今日の法話は素晴らしかった。わかりやすかったです。とてもいいお話でした」
誉められて、悪い気がしない布教師さん。
喜色満面で、思わず問うてしまいました。
「そうでしたか。どこが、よかったですか?」
しばしの沈黙の後、総代さんがポツリと一言。
「・・・お衣の色が・・・」
先月末、高円寺に行きました。
笑福亭鶴瓶さんの唄つるべ~トーク&ライブを観ました。
ゲストは、シンガーソングライターの石野田奈津代さん。
唄つるべとは、鶴瓶さんがトークして、ゲストはその頃合いをみて歌うというスタイルです。
トークに応じて歌があり、歌に応じてトークがあり、台本なしの一発勝負。
それぞれに思いをさらけだし、お客さんが笑いや涙で応える。
伝えたい想いと響く力が結集した場。
おそらく、あの場にいた方は、とても温かな素敵な時間を過ごしたでしょう。
恥ずかしながら、私も御縁をいただいてお話する機会があります。
不肖ながらも、お声をかけていただいた御縁を尊んで、どこにでも行ってます。
話している途中、急に、何も言葉が出てこなくなった事がありました。
また、お叱りの手紙をいただいた事もあります。
慙愧の涙を流した事もあります。
発声やスピード、間の取り方やアイコンタクト、話術と表現、そして、「上手に話したい」という気持ち。
それらは大切な事だけど、しかし、そこにはまず、「伝えたい想い」がなければ響かない。
その「伝えたい想い」を、もっと純化していかねばならないなと感じる11月です。
温かな時を作る事ができるだろうか?
何か一言でも、届く言葉を投げかけているだろうか?
「衣の色」になっていないだろうか?


MEMO
1、放浪記
2、出会いと縁の広がり
3、歌で伝える術  複数で伝える術
4、有料と無料


8 個のコメントがあります
  • tomoko
    Posted at 00:20h, 08 11月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 1214debd58a02868108885c49864ba8a
    我が家のお寺さんは、
    通夜葬儀も、法事のときも、
    ことが済めば、何も話されません。
    用が済んだらおしまいです。
    いつかどこかで、
    衣の色だけを褒められたのかな。
    何も話されないと、
    こちらが気を使ってしまいます。
    せっかく子供たちがいるのに、
    非常に残念に思いましたが・・・
    通夜葬儀の連絡を入れた順番が違っていたようで、
    ずっとおへそを曲げられているように思います。

  • Posted at 14:46h, 08 11月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    お会いした事がないので、何とも言えませんが、案外、深い思慮がおありかも…

  • 岳さん
    Posted at 21:41h, 08 11月 返信

    SECRET: 0
    PASS: efb417f3a6ce30cfd668415ba19056a4
    チベットのダライラマの姿を見て思うことは、本当は衣や袈裟そのものが尊いということが見えてきます。
    衣や袈裟が、人を語らせるということをです。
    袈裟や衣を伝える意味は、そういうことなのだと思います。
    ところが着ている人に、それが見えないと、紫や緋色をお金で買いたくなる。
    お金や年月で買ったものは、地位や名誉、安泰ということでしょうか。

  • Posted at 09:21h, 09 11月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >衣や袈裟が人を語らせる
    托鉢をしていると、まさにこのように感じます。破れ衣であっても、福田衣です。
    佛祖の児孫である矜持を持ち続けたいものです。

  • 田辺
    Posted at 17:42h, 10 11月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    はじめてコメントをいたします。旧来より更新を楽しみにしております者です。今回の記事で、縁あらばどこにでも行くとありました。是非とも、私共の会(仏教を学ぶ会を有志でしております)にお越しいただきお話しをして頂きたく存じます。どのようにお申し込みをすればよいかを教えて下さい。よろしくお願いいたします。

  • Posted at 10:53h, 11 11月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    はじめまして。
    お声がけしていただき、ありがとうございます。
    共に成長していけるような御縁になれば、素敵ですね。
    非公開のコメントやメールフォームで詳細をお知らせください。

  • モモブ〜。
    Posted at 18:28h, 11 11月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 5a4ffe0658b8b4b005db5c60e36fbf43
    そうですよね。
    伝えたい気持ちが、
    一番大事なんですよね。
    「衣の色」ばかり良くても、
    それが欠けてると、
    返って嘘っぽくなりますもんね。
    私もスタイルにこだわるのではなく、
    伝えたい強い気持ちを持ちたいな。
    ありがとうございます。

  • Posted at 13:27h, 12 11月 返信

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    陳列した商品によって何を伝えるかの視点。
    案外、お店の経営にも言えることかもしれませんね。

コメントを残す