7月 11日 下戸の建てたる蔵もなし
小原庄助さんは、朝寝・朝酒・朝湯が大好きで身上をつぶしたそうな。
そりゃ、働かなきゃ、確かにそうなるだろう。金は天井から降っては来ない。
酒飲みがその身を滅ぼす話をよく耳にする。
でも、酒嫌いが飲んだはずの分を蓄財して蔵を建てた話が多いということもあるまい。
そんな機微を井原西鶴は、「世の中に下戸の建てたる蔵もなしと歌ひて、又酒をぞ飲みける」と嗤う。
長年通い詰めた居酒屋が、6月末に閉めた。
ここ数年、「もうそろそろ閉める」と語っていた女将に、武漢肺炎が止めを刺した形だ。
残念だけれど、仕方ない。
最後に店を訪れた帰り際、「もう新橋に来ることはないな」と思った。
あ、そうだ。
井原西鶴は、こんなことも言ってた。
「憂うる者は富貴にして憂い、楽しむ者は貧にして楽しむ。」
今日もいいことがありました!
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