12月 26日 宝処
クリスマスも終わり、いよいよ年の瀬。
また一年、何もしないで終わった苦い後悔を酒で流す。
物心ついた頃からともにある根拠のない自信が、崩れ去っていく。
ああそういえば、と手にした本。河井寛次郎『火の誓い』
「その日もまた警報がひんばんに鳴っていました。私は新日吉神社の近くの木立の舌のいつも腰かける切株に腰かけて、暮れてゆく町を見ていました。明日は再びみることのできないかも知れないこの町を、言いようもない気持ちで眺めていました。
その時でありました。私は突然一つの思いに打たれたのであります。なあんだ、なあんだ、何ということなのだ、これでいいのではないか。これでいいんだ。これでいいんだ。焼かれようが殺されようが、それでいいのだ。-それでそのまま調和なのだ。そういう突拍子もない思いが湧きあがってきたのでありますす。はっきりと調和という言葉を私は聞いたのであります。
なあんだ、なんだ。これで調和しているのだ。そうなのだ。-と、そういう思いに打たれたのであります」
宝処とは「今・ここ」だと、改めて、思い直しました。
良いお年をお迎えください。
今日もいいことがありました!
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