私の出家を支えてくれた慈恩師、尼僧様がいます。 平成23年7月、遷化されました。 その姪っ子さんといっても、私よりも人生の大先輩ですが、その方と、一年に一度、会食をしております。 今回は、中華街でした。 その佇まい、話し方、歩き方。慈恩師…
宮沢賢治の『ツェねずみ』という短編と出会いました。 生前未発表のものだそうです。 「償うてください、償うてください」と主張するツェ。 それは、現代人の姿であり、私の姿でもありました。 良いところばかりを望んだツェは、孤立してしまいます。 …
1月 09日 話す場
昨年に続き、法話の場を与えていただきました。 「人生は美しい」と題してのお話しをしました。 実は、一時間も人の話を一方的に聞くことは簡単なことではありません。 話がつまらなければ、退屈な時間となってしまう。眠ってしまう。 でも、それでは、時間がもったい…
1月 02日 歳神様
新年、おめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 目出度さも ちう位なり おらが春 一茶 「から風の吹けばとぶ屑屋はくづ屋のあるべきやうに、門松立てず煤はかず、雪の山路の曲り形りに、ことしの春もあなた任せになんむかへける」と前書があります。 &nb…
12月 26日 宝処
クリスマスも終わり、いよいよ年の瀬。 また一年、何もしないで終わった苦い後悔を酒で流す。 物心ついた頃からともにある根拠のない自信が、崩れ去っていく。 ああそういえば、と手にした本。河井寛次郎『火の誓い』 「その日もまた警報がひんばんに鳴…
山頭火はとても懐かしい人です。 私も山口の人間だからでしょうか、彼の句や随筆の語り口やリズムに心地よさを覚えます。 だらしのない酒、踏み外した暮らし、あまったれの天邪鬼、強がりで泣き虫、そして、多くのものを手放しながら足掻き悶えた禅のお坊さん。その生涯はとても褒めら…
Alone Againを身に染みて感じる時があります。 分かり合えないお互いだからこそ目を見つめ、時を共有する。 けれども、容易くはない。 分かって欲しいと願っても、触れてほしくないこともある。 けど、「俺が私が」という想いがあるかぎりは、混じり合うことはない。 &…
12月 05日 脱稿
不徳を顧みず、ご縁あって『大法輪』に「あなたのための修証義入門」を連載しております。 月末締めで、月頭にゲラの確認。 初校で終わることはなく、再校、三校までも。 「修証義は仮名交じりでわかりやすい」というお檀家さんの声を聞いていましたし、…
郡山のお檀家さんより、大根を干す写真をメールでいただきました。 そういえば、、、大本山永平寺では、「ぜいたく煮」という料理がありました。沢庵の端っこの部分など残ってしまうなどを塩抜きし、醤油と酒で煮込むというものです。命あるものをたやすく棄てることはできません。 &…
うつむき加減な日々だからこそ、飛び込んでくる言葉がある。 そして、その言葉に支えられることもある。 支えられるのは、今日一日かもしれない。 いや、わずかな時だけかもしれない。 けれども、その間は視線をあげることができる。 Stand, This mat…