臘八接心<ろうはつせっしん、と読みます。> 成道会<じょうどうえ、と読みます。> 臘月とは、師走のこと。 臘八とは12月8日のこと。 禅の修行道場では、12月1日から8日朝までを一日とみなし、不眠不休の坐禅を行ないます。これを臘八接心といいます。 これは、お釈迦様が長い苦行の末、菩提樹下で数日間、昼夜を問わず坐禅され、12月8日朝の暁けの明星をご覧になって成道されたことにならって行なうものです。 12月8日には、「出山の釈迦」を本堂にお奉りし、お釈迦様の成道を記念した成道会という報恩の法要をお勤めします。 クリスマスもいいけれど、 お近くのお寺の成道会にお参りになってはいかがでしょうか。
投稿日時 09:36
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栃木で行方不明になった女児が、茨城で死体で発見されたという。 広島では、ダンボールに入れられ、奈良では昨年、その顔をメールで親に送りつけた。 なぜ、殺すのだ。 何故、殺さなければならないのだ。 亡くなった子供たちは、深い絶望と恐怖を押し付けられた。 残された親や親族は、抱えきれな…
投稿日時 23:53
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みかえり阿弥陀如来様をご存知ですか? 京都の東山、禅林寺様。通称、永観堂。浄土宗西山禅林寺派。 私も寡聞にして知りませんでした。 京都の夜を散策していたところ、もみじをライトアップしてたいへん綺麗だと聞き、先日、初めて立ち寄りました。 そのお寺のご本尊様が、みかえり阿弥陀如来様。…
11月 29日 入檀式
ご縁あって、本年、新しくお檀家になられた方々にお集まりいただき、入檀式を執り行いました。
入檀式とは、お檀家になるにあたって、お寺の宗旨や歴史を理解していただくお式の事。
現状、あまりこのような事をしているお寺はあまり無いようですし、私のお寺でも今年より始めることにしました。
少しでも、お寺とのご縁が深くなればと思いから試みましたが、幸いな事に、案内した全てのお檀家さんに来寺いただきました。
差定
一、授戒
二、輪袈裟授与
三、本尊上供
四、全員焼香
五、諸堂案内
六、茶話会
授戒は戒名の授与はせずに、総授戒の形で。
諸堂案内といっても小さなお寺ですから・・・仏様の説明など。
葬儀を通じてお檀家になる方が多いですが、葬儀や法事のつながりだけでなく、同じ道を歩む者として、共に成長していけたらと願っております。
同じ道、それは、成佛道。
投稿日時 23:36
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会津藩には幼年者教育のために、「什の掟」というものがありました。
一、年長者の言うことに背いてはなりませぬ
二、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
三、虚言を言うことはなりませぬ
四、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
五、弱いものをいじめてはなりませぬ
六、戸外で物を食べてはなりませぬ
七、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです
藩校に上がる前の6歳から9歳位の子供らが集まり、毎日、この掟を確認し、自分の行為を点検していたそうです。
当時は封建社会であり、現代とはその思想に、隔世の感があります。
しかし、その精神のあり方は、現代こそ、見直す必要があると思うのです。その精神の在り方を・・・。
昨今の報道を見聞きするにつけ、私は、ある言葉が頭から離れません。
その言葉とは、私利私欲。
現れた形は異なるけれども、全部、私利私欲じゃないかって。
自由と権利ばかりを主張し、人生の勝ち負けをお金の多寡だけで決め、
恥を知る心も忘れ、ただ、私利私欲を満たす事のみ。
仏教は道徳ではありません
仏教は倫理ではありません。
仏教は生活哲学ではありません。
しかし、今日は敢えて、「什の掟」を取り上げました。
「什の掟」は儒教の教え、孔子先生の教えです。
幼い頃に片言の英語を学んで国際感覚を養うよりも、まず、人間としての身だしなみを教える事が大切なのではないでしょうか?
祥月とは、亡くなった月の事。
命日とは、亡くなった日の事。
祥月命日は、年に一度の大切な日。
亡くなった日を、西洋では、死亡日や追憶の日と言う。
しかし、仏教では、命日。
その人の命の日として受け止める。
その日まで頑張って生きてきたのだ、と受け止める。
友亡きを 友として飲む 酒やよし
投稿日時 23:24
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皆さん、こんにちは。私は法慧と申します。
今日は11月15日、ずいぶんと、寒くなりましたね。
本山も、紅葉や銀杏が色づきまいして、とても綺麗なんですよ。
ところで、あと、2日すれば、11月17日。
皆さん、この日は何の日だかご存知でしょうか?
実は・・・私の誕生日なんです。
私はいくつに見えますか?
そう、見ての通り、18歳です。気持ちは、18歳です。
頭の中も、ものの考え方も、おそらく、18歳の時から変わってないような気もしてます。
先日、5日ばかり、本山に休みを申請しまして、東北地方に行ってきました。仙台と山形。山形は、友人の結婚式でした。
結婚式は、新郎新婦ともに、27歳。
私は、2日後に30歳ですから、順番で言えば、私の方が先のはずなんですけども、ご縁がないのか、面食いが仇なのか・・・。
皆さんは、仏前結婚式をご存知でしょうか?
私も、今回はじめて、見てまいりました。
新郎はお坊さんの格好、新婦は白無垢の角隠し。
まぁ、いくら白いのを着たって、過去まで白くなるはずもありませんし、角を隠すということは、裏返して言えば、角がありますよって事ですよね。
その新郎新婦、ご詠歌で入場し、お決まりの三々九度。そして、二人でお数珠の交換をして、ご本尊様に、このように、誓いの言葉を述べました。
「幾千年の時の流れの中で、同じ時代に生まれ、ふたり巡り合い、ひかれ、愛し合えた事の喜びを忘れることなく、これからの、日々を過ごしてまいります。」
どうでしょうか?皆さん。
はるか昔から、果て無き未来の時の流れの中で、出会えた喜びを忘れない、と、この二人は、誓ったのです。
しかし、考えて見ますと、この喜びは、なにも、愛し合う二人のみに与えられたものでは、ないはずです。
この喜びは、ここにもあります。
つまり、今日、皆さんと私が、今、こうしてお会いしている事も、実は、幾千年の時の流れの、この今に、お会いしているのですから。
こう思いますと、この今というものは、たいへんな事ですよね。
例えば、皆さんも、このホームで一緒に暮らされていますが、この今に集まるのは、よほどのご縁がなければならなかったはずです。
この今に、こうして集えるご縁。
このご縁に手を合わすことができれば、自分の周りにいる人々を、取り巻く環境を大切にしないではおられないはずです。
人間は、人を愛する事ができると同時に、人を憎む事もできます。
好きだ嫌いだ、惚れたはれた、恋だ愛だと。
その場だけの感情だけに振り回されて、一番大切な出会いの意味、ご縁の深さを忘れてはもったいないと思うのです。
あの新郎新婦、結婚したとはいえ、これから、罵り合ったり、喧嘩もするでしょう。顔も見たくないと、言い出すかもしれません。
しかし、そんな時にこそ、出発点である、出会いの意味を思い起こせれば、例え、違う道を歩む結果となったとしても、お互いを尊重する事ができるでしょう。
道元禅師は、
「徳あるは讃むべし、徳なきは憐れむべし」と申されておられます。
人と喧嘩したり、人を嫌ったりするのは、簡単です。
大切な事は、相手を憎むのでなく、憐れむこと。つまり、あなたが、仏様の心になって、慈しむのです。
出会いの意味に気付き、それを忘れなければ、毎日が喜びとなって現れてくるでしょう。いま・ここを大切にできる人となるでしょう。
平成11年11月 老人ホームにて
投稿日時 20:35
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本田美奈子.さんの葬儀・告別式が9日に行われました。
多くの方が、その死を悼み、その不条理さに涙しました。
また、その才能を惜しみ、その人柄を偲ばれたようです。
38歳はあまりにも早い・・・と。
ファンの方の中に、こう、コメントしていた人がいました。
「思い出をありがとう。あなたの事を絶対に忘れない。天国でも大好きな歌を歌ってください。」
突然の訃報に驚いての発言なのでしょう。
でも、これで終わりとするでしょうか?
これで、この事を片付けてしまうのでしょうか?
もっと、感じ取らなければならない事が、学ばねばならない事が、そして、気付かなければならない事があると思うのです。
人の命は、息を引き取れば終わりです。
つまり、この呼吸が止まれば、終わりなのです。
そして、この呼吸の保証はどこにもありません。
本来、人の命は、それほど、儚いものなのです。
だからこそ、この今が尊いのです。
この命を、この今を、私たちは生きている。
まず、この事を真摯に受け止めなければならないと思うのです。
そして、簡単に、「天国に行った」と言ってもいいのでしょうか?
何某かの信仰を持ったうえでの「天国に行った」は結構でしょう。
しかし、ただ、「天国に行った」と言うのは、思考の放棄です。
じゃあ、どこにいったのか?
この問いを発する感性こそが、大切だと思います。
そして、その答えは、思索の遊戯に陥らないという信念の下に、自ずから導かれてくるはずです。
人の命は、確かに、儚いものだけれども、
本当は・・・
私たちは、一回こっきりの、小さな命を生きているのではない。
大きな、大きな、ひとつの命を生きている。
心より、ご冥福をお祈り申し上げます。
投稿日時 23:53
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私は今まで何回も法事に出かけていますが、有難い法話・・・・一度も聞いた事がありません。 普通はお経の後ご住職様は法話をしていただけるのですか? それは、お願いしないといけないのですか? と、コメントを頂きました。 お通夜やご葬儀、そして、ご法事。 お話しなければならない事が、たく…
投稿日時 21:47
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これは、岩手県の匿名希望さんからのお手紙です。 お祖父様の7回忌のご法事に、若い副住職さんがいらっしゃいました。 お経が終わり、知人の方々が故人との思い出話などをして、さて、副住職さまからのご法話となりました。 おもむろに、副住職さまが話をされます。 「エー、私からの法話ですが、…