10月 08日 5年間
投稿日時 06:16
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僧侶的 いま・ここ,
法話
by 大童法慧
痛みは心だけではなく、身体にも現れる。 「死ぬことは怖くありません。だって、向こうに行けば主人と会えるから」と仰る還暦を前にした女性と出逢いました。 彼女はおよそ30年前にご主人と死別しました。 以来、幼い二人の子どもを抱え、懸命に働きま…
投稿日時 07:52
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僧侶的 いま・ここ,
法話
by 大童法慧
死についての判定や定義は文化、時代、分野で異なります。また現今は、脳死という問題を避けて通れず、尊厳死、安楽死という選択枝も増えました。しかしどちらにせよ生の謳歌を最上とする社会では死と生は断絶され、死は嫌われたままです。 僧侶でもあった種田山頭火は、「生を明らめ死…
投稿日時 08:16
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法話
by 大童法慧
この国は「前例のない高齢社会」を迎えています。健康長寿の論理的帰結の一つに認知症の増加があります。認知症の中核症状やBPSDを学習しても、感情は最後まで残るのだと教えられても、家族介護者の疲弊は解消できません。厚生労働省は新オレンジプランを展開していますが、地域社会…
6月 25日 問題
投稿日時 11:17
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法話
by 大童法慧
遅刻 失敗 思い違い 一つのミス そうすると、あなたそのものが悪いと追い詰められる 問題が問題でなく、人格や存在が問題となる 結果、「腹を切るまで許さない」 その事実が悪いのか、それとも、あなた自身が悪いのか お釈迦さまと弟子の問答です。 弟子「知って犯した罪と知ら…
投稿日時 21:02
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法話
by 大童法慧
二宮尊徳は『二宮翁夜話』に「神道は開国の道なり。儒教は治国の道なり。仏教は治心の道なり」と記した。このシンクレティズムの様相を彼は「神儒仏正味一粒丸」と表現した。それは、神道・儒教・仏教のいいところが対立することなく混ぜ合わせたものであり、日本人が育ててきた宗教性を象徴した言葉で…
4月 29日 その時
投稿日時 05:34
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法話
by 大童法慧
曹洞宗で用いられるお経『修証義』の冒頭に、「生を明らめ死を明らむるは仏家一大事の因縁なり」という一節があります。これは、人生には「なぜ生きなければならいのか、なぜ死ななければならいのか」という問いがあり、その答えを性急に求めるのではなく、むしろ、その問いを持ち続けて…
投稿日時 20:31
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法話
by 大童法慧
父親の13回忌のご法事。 当時大学生のお嬢さんも、この秋に嫁がれました。 そのお嬢さんが、実は、、、と教えてくれたお話です。 あの日のお昼。 病室ではなく共有スペースで、母と出前を取りました。 近くのお蕎麦屋さんのカレー南蛮。 食べ始めた頃。 看護師さ…
投稿日時 17:32
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法話
by 大童法慧
かくばかり みにくき国に なりたれば ささげし人の ただに惜しまる 先の戦争の未亡人が詠まれた歌だそうです。 今年八月、ご縁あって知覧に行きました。長年、伺いたいと心に留めていた町です。というのも、私が生まれ育った町、山口県徳山市は回…
投稿日時 07:59
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法話
by houe_admin
88歳のおばあちゃんが体調を崩し、入院した。
家族の祈りと治療の甲斐あって、無事に退院することができた。
おばあちゃんの好物は、甘いもの。
医師から、「これからは、できるだけ甘いものはひかえましょうね」と諭されて、「はいはい」と二つ返事。
帰りの車の中、お気に入りのお饅頭屋さんに寄ってくれ、と願うおばあちゃん。
「退院のお祝いだから、今日だけよ」と言って、立ち寄った。
久しぶりに微笑むおばあちゃんの顔を見た。
そして、、、「今日だけだから」「ひとつだけだから」と言いながら、甘いものを求める日々。
おばあちゃんの体調を気にする家族の切なる想いを、娘が伝えた。
「甘いものはひかえてとお医者さんに言われたでしょう。早く死にたいの?
今日から、家の中から甘いものを隠します」
驚いたおばあちゃんは、手を合わせながらつぶやいた。
「私は、ありがたいことに充分に生きたよ。
でも、最後は好きなものを隠されて、それを盗み食べるような人生にしたくはない。死んでから、饅頭をたくさん供えられても困ってしまう。できるだけ、みんなの手を煩わさないで逝きたいと願ってる。」
「ほどほどにしてね」と言った娘の返事に、「はいはい」と答えたおばあちゃん。
甘いもの、ほどほどに、ほどほどに。
12月 04日 旅
投稿日時 16:23
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法話
by houe_admin
文字通りあっという間の、2年間でした。
なんで、主人だけが、あんな目にあわなくては、いけなかったのか?
みんなに好かれ、優しく真面目な人だったのに、何故?
「まだ、あなたは若いし、幸いに子供もいないから・・・」
そんな理由で、やり直しが出来ると、口をそろえたようにみんなに言われてしまうのは、私に隙があるからでしょうか。
何をもってしても埋められない心の隙間
母から、「彼は旅に出たと思いなさい」と言われた時、少し心が晴れました。
旅に出たのなら、また、必ず会えるって。
・・・私事ながら、11月24日、伯父が亡くなりました。母の兄になります。
高松市で通夜葬儀。
泊まったホテルで流しっぱなしにしたテレビ。
あるCMに、「だけれども、生きる」という一句がありました。
何のCMかは分からなかったけれども、、「だけれども、生きる」という一句に響きました。
私たちは、それぞれに多くのものを抱えながら、挫けないで、諦めないで・・・
「だけれども、生きる」お互いでいたいものです。