大童法慧 | 僧侶的 いま・ここ
何かを得ようとするのではなく 何かを捨ててみよう
大童法慧,曹洞宗,僧侶,祈祷,相談,生き方,悩み
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僧侶的 いま・ここ




11月 21日 安心安全の僧侶

お得、格安、激安、という言葉に弱い私たち。 自分にとって損か得かの値踏みはお手の物。   僧侶派遣をググれば、お布施の一覧表がある。 俗名、戒名のランク、一日葬、炉前のみ、お好みのプランが選択ができる。 そして、明朗会計、追加料金なし、お膳料、お車代も含みますとまで、明…

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11月 14日 カレー南蛮

父親の13回忌のご法事。 当時大学生のお嬢さんも、この秋に嫁がれました。 そのお嬢さんが、実は、、、と教えてくれたお話です。     あの日のお昼。 病室ではなく共有スペースで、母と出前を取りました。 近くのお蕎麦屋さんのカレー南蛮。 食べ始めた頃。 看護師さ…

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11月 07日 独坐大雄峰

ある時、一人の僧が百丈懐海禅師に問います。「如何なるか是れ奇特の事」 つまり、この世で一番有り難いものは何ですか、一番貴いものは何ですか、と。   あなたならば、何と応えるだろうか。 お金や土地、恋人や家族、信仰や神仏。さぁ、何でしょうか。   百丈懐海禅師は…

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10月 31日 雲を離れた月

『恵眼院鉄門海上人伝 ~注連寺縁起~』を頂戴しました。 上人の御生涯を偲ぶ時、『法句経』にある言葉を想い起こしました。     以前には 放逸であった人でも、のちに 放逸でなくなるなれば、その人は、雲を離れた月のように、この世を 照らすであろう。  …

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10月 24日 お骨の重さ

火葬が終わり、お骨を拾い、壺に収める。 親の荼毘の終わる時間が待てなくて、さっさと帰る子もいると聞く。     箸渡しの儀式も拾うお骨の分量も、地域で異なる。 今では、お骨を全て焼切ってくれという意見も少なくない。 そうすれば、お墓の心配もしなくていい。 &n…

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10月 17日 徳をつらぬく

かくばかり みにくき国に なりたれば        ささげし人の ただに惜しまる   先の戦争の未亡人が詠まれた歌だそうです。     今年八月、ご縁あって知覧に行きました。長年、伺いたいと心に留めていた町です。というのも、私が生まれ育った町、山口県徳山市は回…

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10月 10日 starting over

  躓いても、自分を支えるのが困難でも、もう一度、歩き始めようと思えない時でも、それでも、生きざらめやも。     アルフレッド・D・スーザ Alfred D’ Souza 牧師 私はずっとながいこと、「本当の人生」はまだこれからだと思っ…

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3月 18日 無宗教葬 

都内葬儀社の社長さんとお話をした。 特に最近の流行は、菩提寺を持たない方の無宗教葬であるとのこと。 かつては、 戒名はいらないけれど、お経だけは読んで欲しいという方が多かった。 つまり、俗名での葬儀がされていた。 でも今は。 戒名はもちろん、意味の分からんお経もいらない。 お経よりも、故人の好きだった歌でも流した方がいい、と。 通夜や葬儀に集まって、音楽をかけて、焼香もしくは献花をする。 そして、偲ぶ会と称しての会食。 無宗教葬は自由葬ともいうらしい。 自由だから、何の制約もないから、 「自分らしい葬儀」ができるという売り。 ニーズの変化に対応する。 故郷の菩提寺との縁を断った今、 新たに都会で寺院墓地を持つよりも宗派不問の霊園が気軽でしょう、と。 生前、お寺や僧侶と縁がなかったのだから 死後に縁がなくとも困らないだろう、と。 「生き死に」に関して、宗教を求める必要がなかった人生。 案外、何よりの幸せなのかもしれない。 「無宗教。自由。自分らしさ。」 ここに、確固たる核があるのならば。
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